改めてよろしく~施設併設学級~

桐が丘には、家庭から通学する子供が学ぶ本校舎のほかに、施設に併設した校舎があり、これを「施設併設学級」と呼んでいる。併設する施設は、整肢療護園。我が国、肢体不自由療育の祖と言われる高木憲次先生が創設された施設である。そもそも桐が丘の教育は、整肢療護園の特殊学級(当時)から始まっている。その整肢療護園の八重桜は、今が満開である。

 高木憲司先生を顕彰する療育の理念の碑(整肢療護園内)
 整肢療護園で八重桜は今が満開

 1週間前(4月10日)の入学式・始業式の日、式の前にちょっとした事件があった。

 この日は、施設・併設学級の子供も本校舎に来て、一緒に式を行う。私の前には、施設・併設学級の小学2年のAさんが、かわいいスカート姿でいた。車いすに座っている姿勢はちょっと上向き加減、機嫌は良さそうであった。いつもと違う雰囲気を味わっているようにも見えた。隣についていたK先生が、足を開き気味のその子に「足を閉じてね」と声を掛け、そっと膝のあたりを揃えてあげた。先生は、「これがお姉さん座りだからね」と言葉を添えた。本人はそれを笑顔で聞いていた。

私は、その様子を見て声をかけたくなった。Nさんの前に行き「おはよう」と言った。すると、Nさんの表情はみるみる曇り、泣き出してしまった。私の後ろでその様子を見ていた副校長が、Nさんは目が見えないんです、と教えてくれた。視覚から情報を取れない子供に、見知らぬおじさんが不意に声をかけたことになる。警戒して当然だ。赴任して最初の失敗だった。

 以来、早く、施設併設学級に行き、いつもの子供の様子を知りたいと思っていた。今日、実現した。

 施設併設学級の校舎

 朝、玄関で子供たちを迎えた。施設の職員の方と一緒に登校する子供たちの表情は明るい。「おはよう」の挨拶を一人一人と交わす。

 それから教室を一回りした。朝の会をしている学級、体ほぐしをしている学級、授業を始めている学級など、バラエティーに富んでいた。子供たちの個性と教員の個性がミックスされて、一つ一つの学級に特色が醸し出されている。一つ一つの教室に個性がある。それを回ることが面白い。

 小学部のある教室。この教室は5年生が二人と6年生が一人、男の子3人のクラス。E君は、名前を呼ぶと満面の笑顔で応えてくれる。D君は、CDプレーヤーの前に陣取って音楽を聞いていた。私も知っている童謡だ。私が曲に合わせて歌うと、顔を上げ、私を見る。T君は、椅子に座って乗り物の絵本を見ていた。彼の前に行き、声をかけるが私に関心を向けてくれない。彼の前から立ち去ろうとして「またねぇ↑」言うと、その言い方が面白かったのか私の顔に目を向ける。同じ言葉を何度かすると、だんだん笑顔になってきた。。立ち去る私を三人とも、目で追いかけてくれた。もう少しいたいと思ったが、次の機会にすることにした。

 この先、個性的なそれぞれの教室で、子供たちや教員たちとのどんな出会いが待っているか。楽しみである。