4月24日 アヒルをさがせ ~総合的な学習の時間~

 施設併設校舎の職員室を出て、階段を降りようとしていたところだった。

 階段下にいた3人が、私の方を指さして「あった」と大きな声を出した。こちらはびっくりだ。何か私に付いているのだろうかと思い、体を見回したが、そんな様子はない。すると生徒の一人が「アヒル、アヒル」と言う。見回すと、階段の手摺りに、アヒルの形をしたゴム製の人形があった。それを見付けて、感嘆の声を上げていたのだと、やっと了解できた。それにしても、中学生の2、3年生と見える生徒たちが、授業中に「アヒル捜し?」と、不安がよぎった。

 下に降りていくと、生徒たちはプリント(写真)を持っていた。そこには、次のような指令があった。「こうないの いろんな ところに アヒルが にげだした!みんなで さがして つかまえよう!アヒルはしたの しゃしんの ところに にげているぞ!」そして、自分たちで届かないところは、先生に頼むこと、捜し終わったら自分たちで届いたところと、先生に頼んだところの違いを考えようと書かれていた。そこで、思い当たった。そういえば、彼らの学級の先週の総合的な学習の時間では、「バリアフリー」を取り上げていたのだ。今日は、自分たちの身の回りにあるバリアを、体験してみようということらしい。

 生徒たちは、階段の途中で見付けてアヒルの回収を、A先生に依頼した。その後3人は、これまで回収したアヒルを数えた。「7ひきだ。」A先生から「あと、何ひき?」と聞かれる。3人は、逃げたアヒルが12ひきであることを思い出しながら「5ひき」という答えを導いた。この当たりは、数の学習も生かされているようである。学んだことを総合的に生かそうということなのだろう。

 次に、A先生は「次、どこを捜す?」と投げかけた。3人は、プリントを見ながら、これまで捜したところを挙げて、まだ捜索していないところに気づいた。整理して考える、もれなくチェックする、考える力の基礎になることだ。3人は、次の捜索場所を「中庭」に決めた。B君が意欲的に先導する。捜索隊の隊長のようだ。中庭に着いたがアヒルは見えない。C君は、もう一度プリントを見た。中庭の端にあるように示されている。C君は中庭を見て、目的のアヒルを発見。そこから彼の動きは早かった。目をキラキラ輝かせ、勢いよく車いすをこぎ、目的のものを手にすると大きな声で「確保!」の声。

 あまりにも面白い捜索のようすに、しばらく付いて回った。次、次に「確保!」の声が上がる。だが、12個目で問題が起こった。プリントに示されたところをいくら捜しても見つからない。D先生が「どういうことが考えられますか?」と質問する。生徒たちは、いろいろなことを考えて言う。しばらく捜索が続きそうだ。

 生徒たちは、この捜索をどのように振り返るのだろう。次の時間が楽しみである。