6月6日 私の作品展

施設併設の校舎に入っていくと、給湯室の前に見慣れぬ光景がある。
ビニール袋に何かが入っている状態で並べられているようだ。

「なんだろう?」
近づいてみる。
使い捨ての手袋に水が入っている。
そして、爪に当たる部分が彩色されている。
マニュキュアに見立てた作品のようだ。
図工か美術の作品だろうか。
それにしては、それぞれの作品に名前が書かれていない。

私が見ている様子を目にした介助員のSさんが説明してくれた。
その作品群は、小学部のRさんが作ったもので、
いわば「私の作品展」なのだそうだ。
Sさんが使い終わった手袋に水を入れ、縛ってあげたものに、
Rさんがマニュキュアを塗ったのだそうだ。
休み時間に作ったものとのこと。
Rさんの顔が浮かんだ。
マニュキュアを塗るとき、どんな顔だったのだろう。
どんな思いで色を選んだのだろう。
子供っぽく見えるRさんも、おしゃれに興味を持ち始めたようだ。

Rさんに作品の感想を伝えようと教室に行く。
すると、今日は午後からの登校だという。
教室の先生にRさんのマニュキュアの作品、「すてきだね。」と言うと、
近くで聞いていたKさんが割り込んできた。
「あれは、わたしが最初に考えたの?」
なるほど、アイディアはKさんで、それをRさんが発展させたようだ。
「それじゃ、今度、Kさんの作品並べる?」と聞くと、
「やらない。」とのこと。
Kさんの興味は別のことに移っているようだ。
一人一人が、興味あることを追求してほしいものだ