9月12日 小学部移動教室同行記5 〜眠いのに〜

彼はトイレのために夜中2度起きなければならない。
2日目は牧場での活動を行い、夜は夕食後、肝試しまで行った。
多くの子供たちは9時を回ると眠そうにしており、着替えや歯磨きもようやくといった状況であった。

彼も眠そうにしていた。
それでも翌日の着替え、そして荷物の整理などを眠い目をこすりながらおこない、ようやく9:30ごろ布団に潜り込んだ。彼は、下半身が動かなせないので、車いすを使う。車いすを使えるところでは動きが軽い。
しかし、畳の上となると、太い腕でいざるようにして進むのだが、短い距離を進むのも大変だ。
夕食後、布団が敷き詰められた部屋の中を移動するのは特に大変そうだった。
そんなこともあって、2日目は落ちるようにして眠りについた。

11時過ぎ、大人のミーティングの後、私は風呂に入って部屋に戻った。
M先生が彼を起こしているところだった。なかなか起きない。
M先生は声を殺し、肩を軽くたたきながら、根気強く働きかける。
ようやく気配は感じた彼は「眠い、起きられない」とつぶやく。
M先生は「トイレの時間だよ、がんばろう」と何度も働きかける。
彼は、眠気と戦っていた。
そして、ようやく眠気に勝ち、いや眠気とともに、トイレへといざっていった。
しばらくしてトイレから戻る。
彼は、すぐに眠りに落ちた。
安心したような、すっきりした寝顔だ。

だが、彼の眠気との戦いは1度ではなかった。
5時過ぎ、M先生がもう一度起こす。やはりなかなか起きない。
それでも11時のときよりは早く眠気を払うことができたようだ。

ふだん彼は11時頃に寝て、5時頃に起きるのだと言う。
だから11時過ぎと5時過ぎのトイレは、睡眠時間と無理なくあっているのだ。
普段とは異なる生活のサイクル、体力を消耗させる移動環境、そうしたことが彼が眠気との戦いをしなければならない要因だったようだ。

本校には、一定時間ごとにトイレに行かなければならない子供が多い。
夜間どの位の間隔で行くかは皆違うが、彼らは日常を維持するために、強力な意志を働かせているのだと、改めて思い知らされた。