平成27年度卒業式 学校長挨拶

平成27年度卒業式 学校長挨拶

一雨ごとに春の息吹が感じられ、校庭の木々も新芽が伸び、桜のつぼみもふくらみはじめました。本日ここに、多くのご来賓並びに保護者の皆様方のご臨席を賜り、平成二十七年度国立大学法人筑波大学附属桐が丘特別支援学校卒業証書授与式を盛大に挙行できますことは、卒業生はもとより、教職員一同にとりましてもこの上ない喜びであります。心からお礼申し上げます。

ただ今、卒業証書を授与いたしました小学部十二名、中学部七名、高等部十名のみなさん、あらためましてご卒業おめでとうございます。

この卒業証書には多くの心が込められています。まず,みなさんがこの卒業までの日々、学校生活を続けてきた努力の心。入学以来,みなさんの成長を願い、見守り続けて来られたご家族の方の深い愛の心、そしてみなさんの力を信じて指導し続けた先生方の信じる心。卒業は、これまでの歩みと、次への期待を表します。小学校、中学校、高等学校の全課程を修めて巣立つみなさんの門出をお祝いし,更なる成長と活躍を心から期待いたします。

小学部を卒業するみなさん。六年前の入学式のときのことは覚えていますか?身体は小さかったですね。この六年間でとっても大きくなりました。そしてたくさん勉強して、たくさんのことを考えることができるようになり心も大きくなりました。ご家族の方々や関係の皆様のたくさんの愛情を受け今日の卒業式になりました。四月からは中学生。自分で考えて行動することが増えます。しっかり自分を見つめて充実した中学生活を送ってください。

中学部を卒業されるみなさんは、入学式の時はどのような思いをもって入学してきましたか。小学校の時よりも勉強は難しくなりました。友達との関係も広がり、深くなり、また難しくもなりました。興味あることも増え、そして将来について考えることもありました。ここで義務教育は終わりです。将来の進路を決める高校生活では今まで以上に自分で考え悩みながら、多くの人々とのつながりの中で自分の将来を考えてください。

高等部を卒業されるみなさん。卒業後は、これまでよりもさらに多くの人と関わり教えられて学んでいく日々となります。まずは自分の可能性を信じて全力で取り組んでください。でもそこには必ず責任が伴います。自分で決めたことは人のせいにしない、人を傷つけること自分を貶めることはしないことです。自分を尊敬できる人になってください。自分を尊敬できるようになると周囲の人への思いやりや感謝の気持ちも出てきます。

さて、今年一年の社会情勢を振り返ってみると、国際社会においても不幸なできごとがたくさんあり、また我が国においても鬼怒川の大水害をはじめとする自然災害をはじめ、多くのできごとがありました。東日本大震災から五年、復興は大きく進みましたが、まだ十七万四千人の人々が避難生活を送っています。こうした中で皆さんは今日、卒業式を迎えています。これまで校長として、皆さんに、やるべきことに着実に取り組んでくださいと話してきました。世の中の急速な変化、自分のまわりの環境の変化に、ときにくじけそうになり、さぼりたくなり、そういう気持ちがあっても、自分がやるべきことに愚直に取り組んでいくことが、自分の夢に近づく早道であると思います。

暗い話題が多い中、世界の中で活躍する日本人の話題があります。近いところでは、世界卓球では男女とも銀メダルでした。少し前になりますが、ラグビーのワールドカップでは、日本が三勝あげたことが大きな話題となりました。ノーベル賞も二人の日本人が受賞しました。生理学・医学賞の大村智・北里大特別栄誉教授と、物理学賞の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長です。成果があると報道されるので多くの人が知ることとなりますが、卓球もラグビーも、選手たちはもちろん関係の人々が何年も、十年も超えて取り組んできた結果です。ノーベル賞はそれこそ何十年と積み上げてきた成果なのです。目の前の結果に人は一喜一憂しますが、目先の結果だけを求めていては、決して真の成果は得られないということを、これらの人々の活躍は教えてくれます。

みなさんに世界的な活躍をしろと言っているわけではありません。短期間で成果がでることはなくても、やるべきことをしっかりと確実にやっていくことがこの世の中ではとても大切なことです。同じことを何度も言いますが、やるべきことをしっかりとやっていくことが自分を成長させるもっとも早道であるかもしれません。卒業する皆さんにはそのことを心にとめていてほしいと思います。

この学校に校長として赴任して五年経ちます。その間、みなさんのすばらしい姿をたくさん見ることができました。普段の授業で頑張る姿も見ることができました。運動会、学習発表会、桐が丘祭をはじめ、私たち教職員に感動をたくさん与えてくれました。桐が丘で学んだこと、考えたこと、感じたことを基に、将来に向かってしっかりと歩んで行って頂きたいと思います。

最後に、本校の教育に深いご理解と温かいご支援を賜りました、保護者の皆様と関係機関の皆様に対して、心から感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの輝かしい未来を祈念いたしまして、学校長挨拶といたします。

ご卒業おめでとうございます。

平成二十八年三月十五日
筑波大学附属桐が丘特別支援学校
学校長 川間健之介