4月27日 Kさんの小さな冒険 ~教室でアスレチック~

施設併設キャンパスの教室をまわった。

2年生の教室では、登校後のひととき、3人の子供たちが車いすから床に降りて思い思いの活動をしていた。絵本を見ている子供がいる。先生に体を伸ばしてもらっている子供もいる。小2のKさんは、床を移動しながら、どこに何があるか、いろいろ探索しているようだった。

私が入って様子を見ていると、H先生が「Kさん、校長先生にアスレチック見せてあげようか」と語りかける。私が「アスレチックですか?」と言うと、H先生は「そうなんです。とても上手なんですよ。」と答えた。実は、Kさんは目が不自由である。視覚からの情報はほとんどとれない。そんなKさんが、先生が言うアスレチックなる空間をどう移動するのだろう。

「Kさん見せて」とリクエストすると、H先生はKさんの前に夏みかんを示し、「Kさん、みかん探すよ」と言う。するとKさんは、少し離れたところにある各種のマットやソフトブロックが連なったところまで這って移動した。Kさんは、教室の中のものがどこにあるかは覚えているので、こうした移動も一人でできるのだそうだ。

Kさんは、マットやブロックなどが連なったところまでいき、マットの上に上りはじめた。小さなKさんにとっては、両手両足をいっぱいに伸ばしながらの移動になるところもある。いや、両手足の感覚を使いながら、そこにあるものの大きさや高さや幅や、そんなものを測っているようでもある。マットをよじ上っていくと、三角の大きなソフトブロックがある。その真ん中に丸い穴があいている。そこをくぐり抜けてゴールになる。ブロックの前にたどりついたKさんだが、ブロックの穴には少し頭を下げて入らなければならない。Kさんは、くぐり抜けようと移動したが頭をぶつけた。少し戻って二度目は頭を下げするりとくぐり抜けた。

そして、ゴール。Kさんは、大きな夏みかんを両手に持ち、その香りをかいだ。Kさんは、五感を研ぎ澄まし、いろいろな情報を総合しながら決断し、移動を実行した。きっと頭の中はフル回転だったことだろう。チャレンジをやり遂げた満足感、いい笑顔だ。