5月17日 校長室の1年生です ~PTA懇親会~

 「校長室1年生の下山です。子供は38歳、□歳、△歳の3人です。ほかに孫が8歳、□歳、△歳です。幅広い年代の方と、お話が合うと思いますので、よろしくお願いします」というのは、今日のPTA懇親会での私の挨拶である。

 「○年生の母の○○(お名前)です。」というお母さんたちの挨拶に触発されてことである。どっと笑いが起こった。関心をもってもらえたことを良しとしよう。

 この懇親会では、お世話になっている作業所から取り寄せたパンをいただきながら親睦を図る。つまり、おしゃべりをする。私の前はSさん。Sさんは、最近お子さんが短い期間に3度の手術をしたこと、その間、病院に付き添った話をしてくれた。その子が、入院中、学校に戻ることを心待ちにし、時々学校に出向くお母さんから教室や友達の様子を聞くことを何よりの楽しみにしているのだそうだ。子供たちにとって、学校や友達の存在の大きさに改めて気付かされる。お母さんも長期の入院を覚悟し、キャンプ用のベッドを導入したことなど、入院生活を快適にする知恵を披露してくれた。

Sさん親子のたくましさに感服した。

 隣はKくんのお母さんだ。登校後、Kくんはお母さんと分かれるのが寂しいようだ。私が、最近その場面を目にしたというと、お母さんはスマホを取り出し、Kくんが弟と仲良く写っている写真を見せてくれた。そして、次のような兄弟の話を教えてくれた。

 二人は、同じ幼稚園に通い始めた。当時、Kくんは、立つことも歩くこともできなかった。しばらくして、二人のおじいさんが病気を患い入院した。大きく立派な病院に入院したが、治療の甲斐なく、おじいさんは亡くなった。その後、Kくん歩けるようにということで、下肢の手術をすることになった。その手術をする病院は、おじいさんが入院した病院に比べると遥かに小さい病院だったし、手術をした医師も若くはなかったそうだ。だが、その病院での手術は成功し、Kくんはリハビリ後、立って歩けるようになった。

Kくんの弟は、そんな過程を見てきて、将来、医師になろうという夢をもった。小さくて古い病院でも、患者を治せるような医師になる、という夢だ。

 今年になって、Kくんの弟も桐が丘に来る機会があった。校長の私を見て、びっくりしたという。Kくんの手術を担当した医師がいる、と思ったそうだ。お母さんが、もう一度スマホを見せてくれた。メガネをかけ、ほっそりとした面立ちの医師が写っている。その医師と私が、よく似ているというのだが。

私は、首をかしげるしかなかった。