7月4日 もう、これだけで満足です ~高等部宿泊学習同行記3~

「このハンバーガー超うまいです。僕はもうこれだけで今日は満足です。この後の見学ができなくても、もう十分です。」とY君は、私の目の前で言った。
これからメインの見学があると言うのに、そう彼に言わせたハンバーガーとはどんな味か。私も同じものを食べた。
確かにうまい。牛肉の味がしっかりし食べごたえもある。Y君の隣のA君は、Y君より先に食べて、「うまい」を連発。1個食べ終えて、もう1個頼むんだと悔しがった。
2年生7名の顔がほころんでいる。おいしいものは人を笑顔にする。生徒ばかりではない。付添の方も、教員も満足気である。ふだんハンバーガーなど好んで食べない私でも、これはもう1個いきたいと思ったほどである。
高等部宿泊学習の2日目は、オリセンを出発し、六本木、乃木坂界隈を探訪する。行き先は、クラスごとに決める。
2年生は、六本木についたら、Mさん推薦のハンバーガーを食べ、その後は六本木を象徴するビルの展望台に昇り、美術館にも入る予定だった。最後には、テレビ局のショップで買い物することにしていた。宿泊先であるオリンピック記念青少年総合センターを出て、約3時間で回る予定である。
今日は、あいにくの雨で、カッパを着ての出発となった。そして、車いす7人の移動は、予想以上の時間を要した。特に、エレベーターでの移動に時間がかかったように感じた(この点は、生徒の印象は私と違う。それは別の記事としよう)。そうしたこともあり、予定を大幅に過ぎてハンバーガーショップに到着した。そこでは大満足で、冒頭のような発言を聞いた訳である。
Y君の発言は現実のものとなった。みんなが食べ終わったところで、D君から提案があった。もう残された時間が少ないので、展望台と美術館を取りやめ、テレビ局のショップだけに行ってはどうかというものだった。やむを得ないということで、そうすることになった。Y君の、後の予定はなくなってもよいくらいの「満足」は現実のものとなり、予定は実現されないこととなってしまったのである。