2月7日 ギュッ、ベリベリベリ、パチン ~公開授業にて~

6日、7日、公開研究会が行われた。北海道から沖縄まで全国から、多くの方に集まっていただいた。2日目は、授業公開が中心。できるだけ多くの授業を見ていただくため、午前と午後の2回に分けて実施した。午前中は施設併設学級で、午後は本校校舎での公開。そして授業後30分、授業が行われた教室で膝詰めで授業について意見交換した。
N先生は、今年、本校に赴任した、まだ若い先生だ。彼女が、施設併設学級の国語の授業をすることになった。中学部1年のAさんは、「言葉の存在に気付き、事物と言葉とを結びつける」ことが課題である。
そんなAさんに気付いてほしい言葉として、N先生は、言葉の響きやリズムに変化があるオノマトペを考えた。最初に扱うのは「テクテク」「チクチク」「グニュグニュ」「ふわふわ」の四つ。それらの言葉に合う、感触素材を絵本仕立てにして「Aさんのさんぽ」という絵本を自作した。そして、9時間の授業を行った。ていねいに言葉をかけ、絵本の素材に触る。初めの数時間は、言葉をかけたり、触らせたりすると体を前後に揺すり嬉しそうではあったが、動きだしてからは言葉が入っているようには見えなかった。その動きがだんだん減り、言葉に耳を傾けて、感情を穏やかに表すようになった。そうした経過が前日の分科会で発表された。
開けて今日、N先生は、授業公開でAさんがいつものように授業に参加してくれるか心配だった。大勢の人を見て緊張したり興奮したりしないか、言葉が耳に入らず体を激しく揺さぶるのではないか、授業前そんな不安をもらしていた。扱う言葉を変えて3時間目。今回は動きを表す言葉で「ギュッ」「ベリベリベリ」「バチンッ」で、それぞれにぎる、はがす、手ををたたくと結びつける。ゴムボール状の素材、結構幅のあるマジックテープ、そして素手での拍手で表すという。
その公開授業。N先生とAさん1対1の周りを、何十人もの人が取り囲んでいる。そんな中でもAさんは安定している。N先生が「ベリベリベリ、だよー」と言葉をかける。Aさんは聞いているようだ。耳を澄まし笑顔を見せる。そしてN先生に手を誘導されてマジックテープでくっついた布の端をつかむと、ベリベリとはがす。結構力が入れていることがかわかる。心配は杞憂だったようだ。
授業後、N先生は、これまた何十人もの参加者に取り囲まれ様々な質問を受けた。それにてきぱき応える姿は、とても頼もしかった。

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