6月29日 「も」の大切さ ~中1国語の授業~

「笑顔という魔法」という説明文を取り上げた中1の授業を見た。国語のT先生と5人の生徒の授業である。この説明文に入って3時間目ということだった。
「楽しいから笑うのか、笑うから楽しいのか」という問題提起で始まる文章は、前者であろうと仮置きした上で,実験を説得材料として,「笑うから楽しいという側面もある」という結論に導いていく。
T先生は、最初の問題提起に対する答えはどれかと聞いた。5人の意見が割れた。すぐ直後の文である、答えは自明であり「楽しいことがあれば自然に笑みがこぼれる」を3人が選んだ。2人が、実験後の「笑うから楽しい側面もある」を選んだ。だが、根拠を説明させると、どちらもはっきりした説明ができない。

そこで、それぞれの答えがテキストに即して吟味されていく。T先生は一人一人の発言やつぶやきを丁寧に拾い上げる。最初は、自信をもって直後の部分だと主張していた生徒も、やがてそこが結論ではおかしいことに気付く。
そして、「笑うから楽しいという側面もある」という文の吟味にいたり、 Y君が「も」の存在に気付く。「も」があるから両方だと指摘するが、説明がうまくできない。T先生は、みんなに投げ返す。「も」があるということはどういことかな、と聞く。Aさんが、はっとした表情を見せ、「書かれていること以外もある」とつぶやいた。T先生は、Aさんにもう一度発言させ、「どうですか」と皆に問いかけた。
こうして進んだ1時間の授業。気がつけば終わりの時間だ。私も一緒に、問の追求に参加したような気分である。わくわくする国語の時間だった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です