附属11校が1つになる集い
筑波大学には、小学校1校、中学校2校、高等学校3校の計6校と特別支援学校の5校を合わせて、附属学校が全部で11校あります。特に特別支援学校は、それぞれ障害種(視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、知的障害を伴う自閉症)が異なる幼児児童生徒を教育対象にしていることから、筑波大学は国内で他に類をみない多様性に富んだ附属学校群を形成しているといえます。学校の所在地が東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の4都県にまたがり、広域に点在している点も他大学の附属学校には見られない特徴ではありますが、年に2回は附属11校が集う機会を設け、多様性がある「筑波附属ならでは」の交流及び共同学習を展開しています。
今年度もその取組の1つとして、10月13日(日)に「三浦交流行事」が開催されました。同行事には、附属11校から76名の児童生徒が参加し、三浦半島の南端に位置する附属久里浜特別支援学校や同校と隣接する国立特別支援教育総合研究所の体育館を会場に、各校混合で10班に分かれ、班別の活動を中心に交流しました。桐が丘特別支援学校からも、生徒実行委員として高等部生徒が3名、一般参加として小学部児童1名、中学部生徒3名、高等部生徒2名の計9名が参加しました。
同行事の一番の特長は、附属9校(特別支援学校を含む)の中高生有志で生徒実行委員会を結成し、委員長・副委員長を中心に4つの係会を立ち上げ、「誰もが楽しめる」をコンセプトに企画及び準備を進め、当日の司会・進行も担う点にあります。様々な障害のある児童生徒が参加することから、当日の交流をスムーズに進めるため、「障害理解」の動画を自主製作し、移動中のバスで上映するなど工夫もしてくれました。
都内(文京区)から久里浜までのバスの車中ではバスレクで盛り上がり、現地ではテーブルサウンドテニスや風船バレー、そして昼食をはさんで午後には、学校内を探索しながら工作材料を集め、その後、海をテーマにした工作に取り組みました。覚えた手話を話すときに用いたり、視覚障害のある生徒を手引きで誘導したり、年長者が年下の児童をやさしくリードしたりするなど、参加した児童生徒が積極的に関わり合う姿が随所に見られました。日帰り行事でしたが、短時間のうちに各校の児童生徒が打ち解け合い、お互いを気遣いながら一緒に楽しむ様子を見ることができた1日でした。参加者は「筑波附属ならでは」を体験してくれたと思います。