1月10日 私の失敗談 〜賢い消費者になるために〜

校長日記の熱心な読者が、本校の高等部生徒と保護者であることを念頭におきながら、この記事を書く。2022年4月には、民法の改正により、18大人になる。今の高1が卒業して間もなくである。親の同意がなくても様々な契約ができる。そのとき、私のような失敗をして欲しくないという思いで、以下、売買をめぐる失敗談を綴る。
昨日のことである。利用しているカード会社から葉書が届いた。開けてみると、転売サイトを利用した料金が返金されるという内容だった。約半年にわたる、面倒で気分の重い交渉に私は勝利したようだ。ほっとした。
私はラグビー観戦が好きだ。テレビ観戦が主体だが、競技場に見に行ったこともある。昨年のラグビーワールドカップ前、何人かの生徒と日本チームの応援企画に参加する機会があった。そのときの感動から、どうしてもワールドカップを競技場で観戦したいという衝動に駆られた。ダメもと覚悟で、インターネットからチケットを購入することにした。
検索画面に「ワールドカップ チケット」と入力し、一番先に表示されたところを開いた。ラッキー。わずかだチケットが残っている。思ったより高くないので、早速購入することとし氏名住所など必要事項を入力した。良かったと思い、サイトを閉じた。思いのほか簡単に入手できたので、諦めていた日本戦のチケット取れるのではないかと思い、もう一度検索画面を開いた。すると、先ほどの購入したサイトの下に公式サイトという表示があることに気づいたおかしい。いろいろ調べてみる。私が購入したサイトは転売サイト」であることが分かった
転売サイトというものが、よく分からなかった。調べた。不要になったチケットを必要な人
供するサイトのようである通常の価格の数倍になることも少なくないよう。私の購入したチケットも通常の価格の3倍以上であった。主催者がチケットの転売を禁じている場合には「不正転売」に当たり違法であることも分かった。そして、今回の主催者であるラグビー協会は、転売サイトにより入手したチケットは使えないことをアピールしていることも分かった。
 
困った。とりあえず、インターネットで、似たような事例を調べる。いろいろな手続を経て解約、返金に至った事例もある。私のミスにより生じた契約であるが、そもそも売ることがいけないとされているチケットを一番目立つ形で示し、公式サイトと見間違えるようなサイトで販売しているのである。ひっかかった自分にも、そうした売り方をしている販売者にも腹が立った。不正転売に手を貸したという思いにも耐え切れないものがあった。
 
そこで行動した。まず、転売サイトに意義申し立てを繰り返し行った。カード会社にも連絡した。消費生活相談センターにも相談した。カード会社が調査するという連絡があるまで2か月かかった。転売サイトのやりとり等の証拠を揃えて送った。2か月ほどして、転売サイトから調査するとの連絡があった。そして、昨日の葉書という結果になったしだいである。
 
マウスのクリック一つで購入できる、便利な時代である。だが、そこには、何人いや何社もが絡み、いくつもの契約がある。今回の場合であれば、転売サイトとの売買契約、カード会社とのカード利用の契約などである。クリックが、それらを承認することを意味する。承認した相手は、海外の会社だったり、多くの人を相手にしたりしている。ちょっと、「間違った」では通用しない。それが、よく分かった。
 
クリック一つでいろいろなことができる社会は便利である。肢体の不自由を補う側面も大きいい。本校の生徒には、新しい技術を大いに活用し、社会で活躍し、消費生活を楽しんでほしいと願う。ただ、クリックの先には「責任」が伴うことも知ってほしい。
 
ラグビーワールドカップは、テレビ観戦に徹することになったが、本当に楽しく、胸のすくような思いを何度もした。何年か先にも思い出すことだろう。ほろ苦い思いと一緒に。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です