学校全体について
1.桐が丘特別支援学校について
Q1:筑波大学附属桐が丘特別支援学校の教育方針を教えてください。
当校の教育目標は,「教育基本法及び学校教育法,学習指導要領の示すところにより,肢体不自由及びその他の障害を併せ有する児童生徒に対して,個々の個性と障害の実態に応じた教育を行い,豊かな人間性をもち,主体的に自立と社会参加を目指し,生涯にわたって自己の生き方を探求していく人間を育成する。」ことです。
この教育目標を達成するための,基本方針を以下のようにしています。
- 児童生徒の教育的ニーズの把握に努め,自立と社会参加に必要な資質・能力を育む。
- 児童生徒が生涯にわたって自己の生き方を探求していくことができるよう,一人一人のキャリア形成を重視し,小・中・高と連続性のある教育に努める。
- 教育目標とそれを実現するための計画について,保護者や関係諸機関との対話を深め,家庭や地域での生活を充実させつつ学校での教育に生かしていく。また,地域の資源を生かすとともに本校も地域資源として役立つために,地域における肢体不自由教育のセンターとしての役割を果たしていく。
- 児童生徒が自己の理解を深め,多様な人々と生きることを学ぶために,学びのネットワークを広げるとともに,交流及び共同学習の充実を図る。
Q2:筑波大学附属桐が丘特別支援学校は,公立の特別支援学校とどこが違うのですか。
当校は,大学附属校として国内で唯一の肢体不自由児を対象とする特別支援学校です。そのため,教育活動のみならず筑波大学の教育及び研究に参画・協力する使命があります。また,肢体不自由教育,さらには特別支援教育について我が国の教育研究を先導する役割があります。
Q3: 国際教育では,どのような取り組みをしていますか?
JICAの研修生と交流したり,台湾の国立和美実験学校と遠隔合同授業を行ったりしています。高等部では,総合的な探究の時間に筑波大学大学院留学生(現職教職員)と交流する行事を行っています。
また,課外活動として,放課後,英語を母国語とする先生と英会話に取り組めるイングリッシュルームを設けています。外国語活動や英語の授業で学習したことを実際に使ってみることで,英会話力の向上,言語や文化に対する興味・関心,英語でのコミュニケーション意欲を広げることを目指しています。
Q4:ICT教育が充実していると聞きました。家庭でパソコン,タブレット端末を用意したり,オンラインの接続環境を用意したりする必要がありますか。
小・中学部は,GIGAスクール構想に基づき,学習者用端末の無償貸与を行っています。(ご家庭で端末をご準備いただく必要はありません。)高等部は,オンライン学習が可能な性能を有するパソコン,タブレット端末を用意いただくことをお願いしています。また,小学部・中学部・高等部共通して,家庭でオンラインの接続環境を用意していただくことをお願いしています。
パソコン等のICT活用は,肢体不自由児童生徒の学習のみならず,進学,就労等,卒業後の社会で生活していくために極めて有効なツールとなります。そのため小学部から高等部まで一貫してICT教育の充実に努めています。
Q5:医療的ケアの体制について教えてください。
常勤看護師1名と非常勤看護師1名の2名が児童生徒の医療的ケアを行っていますが,学校行事をはじめとして全ての教育活動をカバーすることはできませんので,保護者の御協力をお願いしています。
Q6: 住所と連絡先が二つありますが,本校と施設併設学級は何が違うのですか。
本校は,主に御家庭からの通学生を対象としています。施設併設学級は,隣接する心身障害児総合医療療育センターに手術目的などで入院している児童生徒を対象にしています。
Q7:学校の様子を見学したいのですが,どうすればよいですか。
5月から9月までの計4回,学校見学日(オンライン学校見学を含む)を開催しています。こちらは,当校の受験を検討されている方はもちろん,地域の方々や他校の先生方などに対して,広くご見学いただく機会として設けています。
また,当校の受験を検討されている年長幼児,小学6年児童,中学3年生徒とそれらの保護者を対象に,体験授業(小学部),授業見学(中学部,高等部)を実施します。令和7年度は以下の日程を予定しています。
- 小学部 体験授業 10/7 火
- 中学部 授業見学 10/3 金
- 高等部 授業見学 10/10 金
御希望の方はホームページよりお申込みください。(8月下旬頃申し込み開始予定)
2.教育活動・学校生活について
Q1:日課はどのようになっていますか?
小学部,中学部・高等部は以下の通りです。
| 小学部 | 中学部・高等部 | ||
| 8:35~8:45 | 学級活動他 | 8:35~8:45 | 学級活動(中) ホームルーム(高) |
| 8:45~9:30 | 第1校時 | 8:45~9:35 | 第1校時 |
| 9:40~10:25 | 第2校時 | 9:45~10:35 | 第2校時 |
| 10:40~11:25 | 第3校時 | 10:45~11:35 | 第3校時 |
| 11:40~12:25 | 第4校時 | 11:45~12:35 | 第4校時 |
| 13:35~14:20 | 第5校時 | 13:30~14:20 | 第5校時 |
| 14:35~15:20 | 第6校時 | 14:30~15:20 | 第6校時 |
| 15:20~15:30 | 学級活動他 | 15:20~15:30 | 学級活動(中) ホームルーム(高) |
Q2:学習の介助やトイレの介助は保護者が行うのですか。
教員または介助員が行います。行事等によっては,保護者に同行や介助をお願いすることがあります。
Q3:スクールバスはありますか。また,どのようなルートですか。
2台のスクールバスがあります。1台は,学校から千川駅を通り池袋駅に回るコースです。もう1台は,学校から中落合3丁目(落合南長崎駅)を回るコースです。児童生徒の自立心を高めることを目的に運行しています。原則として,小学部2年生から中学生を対象としています。(スクールバスの定員の関係上,希望されても利用いただけないこともあります。)
Q4:新校舎はいつ完成ですか。
現在は,すべての学級の教室及び一部の特別教室については,新校舎を使用しています。今後,その他の特別教室の校舎改築やグラウンド整備を行いますので,最終的な完成は,まだ数年かかる見通しです。
Q5:給食はありますか。
本校小学部から高等部の全児童生徒を対象として,週5日制の完全給食で実施しています。食形態は普通食です。必要に応じて,一口大に刻むなどの対応を各学級で行っています。
Q6:給食では,食物アレルギーにはどこまで対応してもらえますか。
食物アレルギーに関しては,個別に除去したものを提供します。代替食の持参など,保護者の御協力をいただく場合があります。
3.進路について
Q1:小学部から中学部へ,中学部から高等部へは内部進学(入学選考試験なし)で入れますか。
内部進学はありません。進学を希望する場合は全員,入学選考試験を受験することになります。
Q2:中学部の進路先はどのようになっていますか。
当校高等部のへ進学の他,都立高校,私立高校,公立の特別支援学校高等部に進学した卒業生もいます。
Q3:高等部の進路先はどのようになっていますか。
高等部卒業生の進路先は,以下の通りです。
こちらのリンク先(当校ホームページ)をご覧ください。
4.研究について
Q1:どのような研究に取り組んでいますか。
多様な学習習得状況にある肢体不自由のある児童生徒が,効果的に学べるようにするための指導の工夫,これからの社会を生きるために必要な教育内容について研究しています。また,多様な意見に触れる機会を作り,児童生徒の学び合いを促進するため,全国の肢体不自由の学校と遠隔合同授業の取組なども行っています。
Q2:研究の成果は,どのように発表していますか?
研究成果は,全国の特別支援学校(肢体不自由教育)等の教員を対象として,1〜2月に実施している肢体不自由教育実践研究協議会で報告しています。また,筑波大学公開講座の開催や,書籍や研究紀要の発行等により公表しています。
Q3:入学に当たり研究への協力や研究成果の公開に同意することが必要ですか?
教育研究を進めることは当校の使命でもありますので,研究に協力いただくことは入学に伴う必須の要件となっています。また,研究発表及び学校紹介等のために児童生徒の画像(写真やビデオ等)を使用することもあります。入学時に画像等の使用についても同意いただいています。
5.授業料・PTAについて
Q1:年間の入学料,授業料等を教えてください。
小・中学部は義務教育ですので入学料・授業料は徴収しません。高等部は,入学料2,000円,授業料4,800円(年額)が納付金となります。また,全学部において給食費,教材費,その他諸経費を徴収しています。
Q2:PTA活動はありますか。
P T A活動は,あります。保護者と教員が協力して,家庭・学校・社会における児童生徒の幸福な成長を図り,会員相互の親和に努めると共に,当校特有の使命の達成に寄与することを目的としています。
6.入学選考試験について
Q1:受験にあたって条件がありますか?
出願資格は,主に次の3点です。
- 肢体に不自由があって,当該学部の教育が適当と思われる者。
- 該当学年の就学年齢及び卒業見込みの者。なお,就学猶予者又は免除者も出願できます。
- 必要に応じて通学その他の場合に付添をつけられる者。
Q2:障害者手帳がないのですが,受験できますか。
できます。入学選考試験資格には,障害者手帳の有無は問いません。肢体不自由があることを診断書で提示いただいています。
Q3:男女の合格者数は決められていますか。
男女の合格者数は決めていません。
Q4:途中の学年からの転編入は可能ですか?
定員に空きがあれば,可能です。随時,転編入試験を行っていますので,学年の途中からでも転編入試験が受けられます。ただし,1度入学選考試験を受験し不合格になった場合は,同一学部での転編入試験は受けられません。
Q5:学区域はありますか?
学区域はありません。東京都以外からも通学している児童生徒はいますが,通学が児童生徒と保護者の負担過重にならない範囲としています。
各学部
1.小学部について
Q1:小学部の特徴を教えてください
小学部は,個々の児童の能力や特性,または発達や障害の状態に応じた指導に取り組んでいます。教科の学習については,学級集団を基本としながら,課題に応じて指導グループを分けています。自立活動の時間は,個別指導を基本としながら,必要に応じて集団で指導をしています。
Q2:小学部に特徴のある活動はありますか。
小学部の学校行事では,遠足,校外学習,校内キャンプ(1,2年),宿泊学習(3,4年1泊),移動教室(5,6年1泊)など,体験的に学ぶ学習があります。また,2学年又は6学年合同の合同道徳を設け,多様な価値観に触れて考える学習があります。
Q3:児童会活動は,どのようなことに取り組んでいますか。
児童会では,5,6年生の児童が代表・集会委員会,図書委員会,安全・美化委員会などに所属し,学校生活を充実させるための企画や運営に取り組んでいます。
Q4:タブレット端末は使っていますか。
タブレット端末等を利用した学習活動を,積極的に行っています。個々の障害特性に応じて使用することはもちろん,すべての子供たちが個別最適な学びと協働的な学びを実現し、資質・能力が確実に育成できるように活用しています。
2.中学部について
Q1:中学部の特徴を教えてください。
中学部は,個々の生徒の学習の習熟状況に鑑み,必要に応じて学習グループを分け個に応じた教育を基本とした指導の場を設けています。いずれのグループも生徒の特性等を踏まえ,基礎的,基本的な事項が確実に身に付くように留意し,教科間,教員間の連携を密にした指導を行います。中学部の行事は,校外学習,宿泊学習などがあります。進路指導の一環として,夏休み体験発表会,職場見学などを実施しています。
Q2:総合的な学習の時間は,どのようなことに取り組んでいますか?
各学年でテーマを設定し,調査活動,体験活動を行い,そこで得られた知見を基に校外学習(「池袋へ行こう」)の活動を計画・実施しています。将来,自ら見通しをもって行動し,社会との積極的な関わりを通して自分の生き方を自己選択・自己決定していくことができるような活動や体験を重視しています。
Q3:部活動はありますか?
中学部は高等部と合同で,スポーツ部を実施しています。また,クラブ活動として同好会があります。例年,生徒の希望から同好会の内容を決めて,月に1~2回程度活動しています。昨年度は,レク同好会と手話同好会がありました。
3. 高等部について
Q1:高等部の特徴を教えてください。
高等部は,個々の生徒の学習の習熟状況に鑑み,必要に応じて学習グループを分け個に応じた教育を基本とした指導の場を設けています。いずれのグループも生徒の特性,進路等を踏まえ,基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように留意し,教科間・教員間の連携協力を密にした指導を行います。高等部の行事としては,宿泊学習や修学旅行があります。また,適切な進路指導を行うために,進路懇談会,施設見学,職場実習などを実施しています。
Q2:進路については,どのような指導をしていますか?
学校生活全般にわたって,卒業後に生徒が主体的に社会に参加する力をつけるため,指導したり,援助したりすることを大事にしています。具体的な活動としては,①自己理解の支援(総合・学級学年の指導等),②進路への啓発・情報提供(進路懇談会・施設見学・職場実習等),③相談(個別面談等),④卒業後の追指導(関係機関との連携)等を行っています。
Q3:交流活動はどのようなことがありますか?
生活経験を広げ自己理解を深めるために,例年,筑波大学附属坂戸高校と交流しています。国際交流では,筑波大学大学院留学生(現職教職員)との活動にも取り組んでいます。
Q4:部活動はありますか?
スポーツ部を実施しています。スポーツ部では,東京都肢体不自由特別支援学校ハンドサッカー大会やボッチャ大会出場に向けた活動を実施しています。また,生徒が主体的に活動を運営,実施する同好会があります。昨年度は,クリエイティブ同好会を実施し,個々の興味・関心に基づいて制作活動を行いました。
筑波大学附属桐が丘特別支援学校