懐かしさとうれしさのマーブル模様

 令和6年4月に校長として着任しました西垣昌欣(にしがきまさよし)と申します。以前、教員として13年間、副校長として7年間、この学校(以下、桐が丘)に勤めていましたので、元の場所に戻ってきたような感覚でいます。先日、中1の生徒から「お帰りなさい」と声を掛けてもらい、たいへんうれしく感じました。

 桐が丘を離れている間は、同じ筑波大学附属の久里浜特別支援学校で知的障害を伴う自閉症のある子どもたちの教育に3年、聴覚特別支援学校で聴覚障害のある子どもたちの教育に2年携わり、様々なことを学ばせていただきました。中でも、障害の違いにより、配慮する内容や指導する際の工夫の仕方などが異なる様子を直接目にすることができた点は、「多様な学びの場」を具体的に知るうえでたいへん勉強になりました。また、それぞれの学校で、先生方が子どもたちのために毎日工夫しながら実践に臨む姿は、私自身にとってたいへん刺激的であり、大きな励みにもなりました。 

 ただ、どの場においても、目の前にいる「この子にとって必要な教育とは何か」という日々の問いかけから、最適な指導を探る、工夫するという営みが展開されている点は共通しており、このシンプルな発想が教育の本質を支えていると改めて感じた次第です。

 さて、新入生を迎え4月8日(月)に新年度がスタートしました。春休み中は静かだった学校に活気が戻り、桐が丘の子どもたちが学ぶ様子を目にするたびに、かつて桐が丘で勤めていた頃の日常を取り戻した感覚に包まれ、とても懐かしさを感じています。また、校舎内を歩いて回ると、教室や廊下の広さや明るさ、新しさを実感し、念願の新校舎が現実となっている様子に、じんわりとしたうれしさも感じています。広く明るい校舎に子どもたちの笑顔、学習に取り組む子どもたちの眼差し。夢が叶ったような気分を、この数日、味わっています。

 しかし、この5年の間に人の入れ替わりが進み、学校の様子も変わり、私も桐が丘1年生として新たなスタートを切ったところです。懐かしさとうれしさの入り混じった気分に浸りながらも、早く子どもたちの顔と名前を覚え、この学校に慣れて、桐が丘の教育に改めてイチから取り組んでまいりたいと存じます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

旧校舎廊下(左)と新校舎廊下(右)

新校舎玄関(左)と昔のまま変わらない体育館(右)