青色に意味を持たせている日

 本日(令和7年3月21日)の修了式をもって、令和6年度の教育活動はひとまず終わります。先週の金曜日(3月14日)には、よい天気に恵まれた中で卒業証書授与式を行い、本校小学部6名、同中学部9名、同高等部8名、施設併設学級小学部1名の計24名が卒業いたしました。4月からも引き続き当校に通う生徒もおりますが、当校から巣立ち、新たな環境で新生活を始める卒業生もいます。それぞれが、できるだけ早い段階で自分に合ったペースを見つけて、自分らしさを発揮してくれることを願っています。

 在校生は、4月よりそれぞれ1学年進級し、新入生も迎えて令和7年度がスタートします。現在の小学部5年生、中学部2年生、高等部2年生は、各学部の最上級になりますので、見送った卒業生に替わって各学部を、高等部2年生には更に学校全体をもリードしてくれることを期待しています。春休みはそれほど長い休みではありませんが、この休みの間に次年度への準備を進め、気分を新たにして4月を迎えてほしいと思います。

 さて、日頃気にも留めず目にする青色に、意味を持たせている日があることをご存じでしょうか。今や青色といえば、アメリカ・メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・ドジャースのチームカラーということもあり、大谷選手やドジャースをイメージする方も多いのではないかと思います。かつてドジャースを20年間率い、チームをこよなく愛したラソーダ監督(1927-2021)は、「(私の体には)ドジャーブルーの血が流れている」という名言を残しています。おととしまで赤色のユニフォームが似合っていた大谷選手のイメージも、すっかりドジャーブルーに変わってしまい、むしろ青色の方がさわやかな人柄にしっくりくる感じがします。

 しかし、ここで紹介したいのは「世界自閉症啓発デー」についてです。2007年の国連総会で毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」とすることが採択され、この日には世界中で、自閉症の啓発を目的とする様々な取組が行われるようになりました。特に知られているのが、世界各地のランドマークを青くライトアップする「ライト・イット・アップ・ブルー」で、アメリカ・ニューヨークの自由の女神像をはじめ、フランス・パリのエッフェル塔、エジプトのピラミッド、スペインのサグラダ・ファミリア、UAE(アラブ首長国連邦)のブルジュ・ハリファなどが青く照らされています。日本でも姫路城、大阪城、札幌市時計台などの観光名所が当日ライト・アップされ、都内では都庁第一本庁舎、東京ゲートブリッジ、東京タワーなどが青く照らされます。青色は、癒しや希望、平穏を意味する色と言われ、自閉症啓発のシンボル・カラーになっています。私もこのような取組が行われていることは、以前から知っていましたが、自分が附属久里浜特別支援学校に赴任したのを機に、自分も何か取り組もうと考え、以来4月2日には青色の物を身に着けるようにしています。

 春休み中に訪れる4月2日は、様々な場所で青色を用いた取組を目にすることと思います。また、4月2日から8日までは「発達障害啓発週間」となっていますので、その間は取組が継続される場所もあります。それらの青色には、広く自閉症を含む発達障害のことを知ってほしい、理解を深めてほしいという願いが込められていますので、目にされた際にはぜひ身近な方々と話題にしていただければと思います。