まちがえる
今回は「3匹のカエル」の話から始めます。このお話は、当校の近隣にある板橋区立大谷口小学校のお便り「くずのは」(平成29年10月号)に、当時の校長(小宮孝之先生)がお書きになった記事「間違ってこその学び」の中で紹介されていました。「3匹のカエル」とは、「かんがえる」「まちがえる」「ふりかえる」の3匹で、それぞれキャラ設定されていて、板橋区の教育長(当時)から、区内の全小・中学校の子供たちに「心の中に3匹のカエルを育ててほしい」との呼びかけがあり、それを踏まえて紹介された話題でした。この呼びかけを受け、小宮先生はトーマス・エジソンが電球の開発に8000回失敗した話題を紹介し、「間違いは何かに挑戦した一つの結果」で、「行動しなければ間違えることはできません」と述べられ、「間違いや失敗を糧として次に進める子供を育てていきたい」とお書きになりました。
この「3匹のカエル」の話を目にし、私が真っ先に思い出したのが「教室はまちがうところだ」という詩です。1967年に誕生したこの詩は、当時中学校の教員だった蒔田晋治さん(故人)が学級新聞につづったもので、その後、新聞などを通じて広く知られるようになり、2004年には絵本として書籍化されました。教員になって間もない頃にこの詩に出会った私は、すぐにノートに書き写し、何度も読み返したり自分の学級で紹介したりしました。全文は紹介できませんが、ここに詩の一部を紹介します。
教室はまちがうところだ・・・・・まちがった意見を まちがった答えを ああじゃないか こうじゃないかと みんなで出しあい 言いあうなかでだ ほんとのものをみつけていくのだ そうしてみんなで伸びていくのだ いつも正しくまちがいのない 答えをしなくちゃならんと思って そういうとこだと思っているから まちがうことがこわくてこわくて 手もあげないで 小さくなって だまりこくって時間がすぎる しかたがないから 先生だけが 勝手にしゃべって 生徒はうわのそら それじゃあちっとも 伸びてはいけない・・・・・まちがったって だれかがよ なおしてくれるし教えてくれる 困ったときには先生が ない知恵しぼって教えるで・・・・・(蒔田晋治・作、長谷川知子・絵『教室はまちがうところだ』、子どもの未来社、2004年)
この詩を読むと、自分が子供だった頃の心境が蘇ってきます。目の前の子供たちの多くが同じような気持ちでいるのではないかと想像するたびに、「間違えていいんだよ」と応援したくなります。間違いや失敗を大切に、そして間違いや失敗から学ぶ。「かんがえる」「ふりかえる」に加え、「まちがえる」も重要な学び方の一つであることを、改めて押さえておきたいと思います。

筑波大学附属桐が丘特別支援学校