だ液のはたらきを確認するには?

実は3年前にも一度紹介したことがあるのですが,今年も同じ実験をしました。ヨウ素液とベネジクト液を使って,「だ液がデンプンを麦芽糖に分解すること」を確かめるにはどうすれば良いかを考える実験です。

細かな流れは昔の投稿を見ていただくとして,今回も生徒達は見事に実験方法を考えることができました。さて,仮説をちゃんと持つことができると実験の結果が楽しみになります。

実験はデンプン溶液にだ液を加えた試験管と,水を加えた試験管で行う対照実験です。試験管は40°程度のお湯に5~10分程つけて,だ液がはたらくのを待ちます。生徒達はだ液はちゃんと分解してくれるのかなぁ・・・と心配そうに見つめます。

私はいい加減な性格なので,「もうこのぐらいでいいよ,確かめようよ」と言うのですが,「いや,あと4分ある」と注意されます。

そして,確認した一つ目の実験結果がこちら。一番左はヨウ素液だけの色,真ん中がデンプン溶液に水を加えたもの。一番右がだ液を加えたもの。ちゃんと10分待ったかいがありました!

だ液を提供してくれた生徒は,「ちゃんとはたらいてくれた」と大喜びです。「この結果でわかることは?」と問いかけると,「デンプンが分解されて無くなった」と返ってきます。「でも,分解されて糖に変わったかどうかは?」とさらに尋ねると「まだわからない」と。ちゃんと理解しているようで安心しました。

そして,ベネジクト液の実験。まず,水だけを入れたものにベネジクト液を加え,加熱しました。「変わらないね」。次にだ液を加えたもの。ベネジクト液を入れただけでは変化しません。加熱していくと・・・

色が変化しました!「ちゃんと糖ができていたね」と確認。加熱して色が変わった瞬間には歓声が上がります。理屈で覚えるのではなく,感動を持って確かめることができるのはやはり楽しいものです。

大切なことは,単に「実験をすること」ではなく,「予想や仮説をもって実験する」こと。これからも是非興味を持って取り組んでもらいたいと思いました。

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