桐高生日記vol.29

Sさん(高3)の日記から・・・

 先ほどニュース番組を見ていたとき、詐欺事件の容疑者が超有名2世タレントと同姓同名(漢字は違いますが)だったのが、なぜかすごく印象に残っています。
 詐欺事件と言えば、以前見たドラマが忘れられません。そのドラマは「詐欺の子」という、どこにでもいる普通の中学生がささいなきっかけから振り込め詐欺に加担してしまうまでを描いた作品です。主人公の少年が、塾で友達から振り込め詐欺のバイトに誘われ、上司や先輩に優しくされるうちに特に罪の意識もなく、振り込め詐欺の受け子になってしまいます。そこには大規模な組織の構図があり、受け子をいくら逮捕しても絶対に黒幕を暴かれないようになっているということを、そのとき初めて知りました。
 そしてもうひとつ驚いたことは、末端で動いている人たちは皆何かしらの貧困だということです。今回の容疑者はパチンコで多額の借金を抱えていたようです。パチンコでつくった借金というのが憎たらしいですが、本当にその場所にしか居場所がなかったのかもしれません。
 私のように目に見えた生きづらさを抱えている人ばかりではない世の中になっているという事実に、なんだかモヤモヤしてしまいます。でも目に見えるかどうかとか、他人と比較してどうかとか、そんなことにはこだわらず、ものすごく漠然としていますが、このように様々な生きづらさを抱えた人たちを皆でサポートできるような、そんな活動もしたいのかなと思いました。(2020.10.5)

(先生から)
 漠然としていていいじゃないですか。「ものすごく漠然」とした中に、答えはあるのかもしれません。

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