11月18日 車いすで「走る」「回る」~教科「体育」の探求~

 施設併設学級では、発達段階が初期の子供たちの教科の授業について研究・開発を行っている。

 車いすに乗った2組がスタートを切った。体育館の中を勢いよく走っている。猛ダッシュというほどではないが、スピード感を感じているようだ。一人は下がっていた顔が上がって笑顔になり、もう一人は声を出して喜んでいる。戻りも同じように車いすを押す教師が走り、乗っている生徒はスピード感を味わっている。

 次の2組は、前の組よりは明らかにゆっくり走っている。歩くよりは速いがゆったりしたスピード感である。この組の一人は、ゆっくりの動きが心地よいようだ。動いている間ずっと笑顔を見せている。教師たちは、スピードを上げて走る、ゆっくり走る感覚を学ばせたいようだ。

 続いて、S先生の合図で、車いすの後輪に4つのキャスターがついた自作の用具をくくりつけられた。車いすは前輪は自在に動くが後輪は安定性を確保するため固定だ。最初の2組が動き出した。くるくる回転する。後輪を自在に動かすためのキャスターなのだ。

 1度目は、少し緊張感が見られた。回転の刺激は強いのかもしれない。教師は、生徒の表情や体の動きを見ながら回転の大きさや速度を調整していた。2度目には笑顔を見せる生徒も出てきた。

 生徒たちは、自分で移動したり体を動かしたりすることが難しい。しかし、車いすを使えばスピード感も回転する感覚も味わえるのだ。走ることが好きで、回転する変化を味わえるようになれば、いろいろな場や機会を他者と一緒に楽しめるようになるだろう。

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